そもそもしじみって?

しじみは、マルスダレガイ目シジミ科の小型の二枚貝です。黒い貝のイメージがありますが、貝殻の色は生息していた環境によって変化するといわれています。泥底にいたものは泥に含まれる成分によって黒くなり、砂底にいたものは明るい色の貝殻になります。縄文時代の貝塚からもしじみの貝殻が発見されており、古くから食用されていたと考えられています。

しじみの種類

もともと日本に生息していたしじみはヤマトシジミ、セタシジミ、マシジミの3種類で、日本のしじみ漁獲量のほとんどはヤマトシジミです。
・ヤマトシジミ
日本で最も一般的なしじみで、北海道から九州まで全国の河川の河口など、淡水と海水が入り混じる汽水域の砂礫底に生息しています。貝の膨らみは高めで、殻の表面にある線(輪脈)は他のしじみと比べるとはっきりしていませんが、つやがあります。殻の内側は紫がかった白色のものが多いです。
セタシジミ
琵琶湖が原産の淡水性のしじみです。瀬田川でよく獲れたことから、この名前で呼ばれるようになったといわれます。水質の変化や護岸工事、乱獲などにより生息数は大きく減少しています。貝は高く膨らみ厚みがあり、殻の輪脈もはっきりとして光沢があります。殻の内面は紫色が強く、しじみの中でも味が良いといわれています。
・マシジミ
淡水性のしじみで、北海道を除く全国に分布しています。以前は水田周辺の小川などに生息していましたが、現在は化学肥料や農薬の影響に加え、河川の改修や水田の減少などの環境変化によってほとんど見られなくなっています。貝の膨らみは低く薄い形です。殻の輪脈ははっきりとしていてつやはあまりなく、色も薄めです。殻の内側は濃い紫色です。
・タイワンシジミ
中国や台湾から入ってきた淡水性のしじみです。生命力が強く汚水を好みます。マシジミと同じ環境に生息していると、マシジミを絶滅させてしまう恐れがあります。見た目はマシジミに似ており、殻は全体的に色が薄く黄色味がかっていて、殻の内側は白色です。味はよくありません。

しじみの栄養

ビタミンB12

ビタミンB12は神経や血液の健康を維持するために必要で、細胞の遺伝物質であるDNAの生成を助けます。また葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビン生成を助けており、不足すると巨赤芽球性貧血という悪性貧血の原因となることがあります。

鉄は赤血球を作るのに欠かせないミネラルです。体内の鉄はその多くが赤血球をつくるヘモグロビンの成分となっています。ヘモグロビンは呼吸でとり込んだ酸素と結びついて、体のすみずみに酸素を運びます。

亜鉛

亜鉛は新陳代謝に必要な酵素の成分となるほか、タンパク質の合成や、遺伝子情報を伝えるDNAの転写にかかわっています。そのため細胞の生まれ変わりが活発なところでは、亜鉛の必要性が増大することがあります。口腔内の味を感じる細胞は約7日でうまれかわるといわれており、亜鉛の不足によって細胞の新陳代謝が滞ると、味覚障害を引きおこすことがあります。

赤血球がつくられるのを助ける働きがあります。赤血球中のヘモグロビンをつくるために鉄が必要ですが、銅は鉄を必要な場所に運ぶ役割があります。そのため、鉄が十分に存在しても、銅が不足していると赤血球が十分につくられなくなる可能性があります。また銅は、骨の形成を助ける働きもあります。

オルニチン

オルニチンは肝臓で働くアミノ酸です。肝機能を助け、疲労を回復する効果があるといわれています。オルニチンは遊離アミノ酸の一種で、血液に溶け込んだ状態で体内をめぐっていて、肝臓ではアンモニアを代謝するオルニチンサイクルという経路で働き、有害物質であるアンモニアの解毒を促進します。

タウリン

アミノ酸の一種です。胆汁の生成や神経系の伝達、浸透圧の調整、細胞膜の安定化などの働きがあります。タウリンの摂取によって筋肉の疲労や摩耗の原因となる老廃物の除去を助け、筋肉細胞へのダメージや酸化ストレスを軽減する効果があるといわれており、身体的な疲労の改善が期待できます。また、運動時の脂肪燃焼を促進する効果も期待されています。

アラニン

アミノ酸の一種です。肝臓でつくられて脳や筋肉に送られるエネルギーの材料となるほか、肝臓の保護、アルコールの代謝などに役立ちます。

薬膳の効果

肝機能を高める食材です。体の余分な熱をとり、むくみや排尿の異常を改善する効果があります。酒毒をとり除くので、二日酔いのときにも有効です。

※摂り過ぎに注意

シジミは鉄分の含有量が多く、肝炎など肝機能が低下している場合に鉄分が蓄積され引き起こされるものとされています。過剰に摂ることは避けましょう。

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